ページ

2020/02/15

正東津経由東海行きKTXについて調べてみた(ソウル~東海間高速バスとの比較も)!

韓国旅行好き(なのにここ3年半韓国訪問出来ていないので、久々に行きたく仕方がない)のタケオです。

来る2020年3月2日(月)、韓国北東部に位置する江原道(강원도、カンウォンド)に向かう韓国高速鉄道KTX(Korea Train eXpress)について、 江陵(강릉、カンヌン)に加えて、正東津(정동진、チョンドンジン)経由東海(동해、トンヘ)行きの運行が開始されます。

そこで、今回は新たに運行が開始されるKTX、そしてこのKTXと競合となる高速バスについて調べてみたことを書きたいと思います。



IMG_3660.JPG





目次
1. 正東津経由東海行きKTXの概要
2. 正東津経由東海行きKTXの運行本数
3. 正東津経由東海行きKTXの運賃
4. ソウル~東海間 KTXと高速バスを比較
5. 終わりに






正東津経由東海行きKTXの概要


日の出の名所として名高い江陵市正東津を経由し、韓国随一の漁港のある町として知られる東海へ行くKTXは、途中の珍富(진부、チンブ)までは、以前以下記事で紹介した江陵行きKTXと同じ江陵線KTX(2018年4月16日に京江線から名称変更)を走行。



平昌オリンピック開幕に合わせて2017年12月22日に開業する韓国高速鉄道KTX新路線を紹介!

江原道を通るKTXの開業日 2017年11月27日、KTXの運行会社である韓国鉄道公社 (한국철도공사) 、通称KORAIL (코레일) は、今回の路線は、 平昌等を通って珍富 (진부) ・江陵 (강릉) まで行く KTXを2017年12月22日に開業すると発表しました。 2018年2月8日~25日にかけて開かれる平昌オリンピックと、同年3月9日~18日の平昌パラリンピック開催期間中の重要な交通手段 となるのは勿論のこと、江原道 (강원도、カンウォンド) に初めてKTXが走るということで、これまで 高速バスしかないと言ってもいいくらいだった江原道各地へのアクセスがより便利になるという点でも注目を集めています。...



江陵手前で分岐して在来線である嶺東線(영동선、ヨンドンソン)に入り、東海まで走るということです。

ちなみに今回の運行開始で新たに停車する駅としては、珍富から見て順に、正東津・墨湖(묵호、ムコ)、そして終点の東海となります。





正東津経由東海行きKTXの運行本数


KTXを運行する韓国鉄道公社(한국철도공사)が運営する乗車券予約ウェブサイトLet's Korailの中で、2020年2月7日登録公示事項「乗車券予約販売日のお知らせ(승차권 예발매일 알림)」からダウンロード出来る時刻表Excelファイルを参考に、正東津経由東海行きKTXの2020年3月2日の時刻を下に書き出してみます。

尚、江原道側停車駅は東海のみ書いていますが、東海行きKTXは今回新たに追加される正東津・墨湖・東海全てに停車することになります


下り
ソウル発清涼里発東海着備考
7:017:229:42
9:5512:02金・土・日運行
11:0111:2213:38
13:0015:13金・土・日運行
15:0115:2217:40
18:3118:5221:06
20:1522:25金・土運行



上り
東海発清涼里着ソウル着備考
7:259:29土・日運行
10:0512:2212:41
12:4014:43金・土・日運行
14:0016:1716:37
15:4017:46金・土・日運行
19:0321:2621:46
21:3023:510:11


毎日運行のソウル~東海間が往復4本。

ソウル特別市(서울특별시)北東部の東大門区(동대문구、トンデムング)に位置する清涼里(청량리、チョンニャンニ)~東海間は、金・土・日曜日運行で往復2本、下り金・土曜日の深夜運行、上り土・日曜日の早朝運行の組み合わせで往復1本の構成となっています。

また時刻表から計算して、おおよその所要時間は、ソウル~東海間:2時間40分、清涼里~東海間:2時間20分と見て良いでしょう。

ちなみに、使用車両は江陵行きKTXと同じ全てKTX-山川(KTX-산천、本記事写真の車両と同タイプ)です。





正東津経由東海行きKTXの運賃


同じくウェブサイトLet's Korailの中で、2020年2月4日登録公示事項「ソウル~東海駅間KTX運賃のお知らせ(서울~동해역 간 KTX 운임 알림)」からダウンロード出来る運賃表Excelファイルから抜き出した東海行きKTXの主な運賃は以下の通り。

尚、KTXは基本的に全席指定で、新幹線の指定席に相当する一般室(일반실)と、グリーン車に相当する特室(특실)がありますが、以下の運賃は全て一般室に乗車した際のものです。


ソウル~正東津:28,300ウォン(約2,830円)
清涼里~正東津:26,700ウォン(約3,325円)
ソウル~墨湖 :30,700ウォン(約3,070円)
清涼里~墨湖 :29,100ウォン(約2,910円)
ソウル~東海 :31,300ウォン(約3,130円)
清涼里~東海 :29,700ウォン(約2,970円)
※100円=1,000ウォンとして計算





ソウル~東海間 KTXと高速バスを比較


正東津経由東海行きKTXの競合となるのが、ソウル~東海間を走る高速バス。

そこで高速バスの運行本数・所要時間・運賃等を以下のアプリを使って調べ、KTXと比較してみることにしました。


[공식]고속버스 티머니
[공식]고속버스 티머니
開発元:Tmoney Co., Ltd
無料
posted withアプリーチ


先ず同区間高速バスの種別としては以下の3種類あります。


一般高速(日本を走る一般的な高速バスと同様座席、配列が2+2列)
優等高速(座席配列が2+1列の高速バス)
プレミアム座席配列が2+1列、航空便エコノミークラスのような液晶モニター付き


またソウル側のバスターミナルとしては以下2ヶ所になります。


高速ターミナル(고속터미널、韓国最大規模のバスターミナル)
東ソウル総合ターミナル(동서울종합터미널、以下東ソウル、首都圏電鉄(수도권전철)2号線江辺駅(강변역、カンビョンヨッ)直結)



上記を踏まえた上で、最初に高速バスの運行本数を、月曜日(2020年2月17日)・土曜日(2020年2月22日)別で調べてみました。


下り
高速ターミナル発(2020年2月17日):17本
種別内訳:優等高速12本・プレミアム5本

高速ターミナル発(2020年2月22日):22本
種別内訳:優等高速17本・プレミアム5本

東ソウル発(2020年2月17日):12本
種別内訳:一般高速6本・優等高速6本

東ソウル発(2020年2月22日):12本
種別内訳:一般高速6本・優等高速6本


上り
高速ターミナル行き(2020年2月17日):18本
種別内訳:優等高速13本・プレミアム5本

高速ターミナル行き(2020年2月22日):22本
種別内訳:優等高速17本・プレミアム5本

東ソウル行き(2020年2月17日):13本
種別内訳:一般高速6本・優等高速7本

東ソウル行き(2020年2月22日):12本
種別内訳:一般高速6本・優等高速6本


高速ターミナルは優等高速とプレミアム、東ソウルは一般高速と優等高速がそれぞれ発着する構成となっています。

高速ターミナルと東ソウルを合わせると、下り平日29本・下り土・日曜日34本、上り平日31本・上り土・日曜日34本となり、高速バスの運行本数がKTXの4~5倍近くと遥かに多いため、高速バスの方が気軽に乗れると言えます。

次に高速バスでの所要時間です。


高速ターミナル~東海間:3時間5分
東ソウル~東海間   :2時間55分


まだ江原道東海市に行ったことがないので何とも言えませんが、韓国の高速道路マップを見る限り、ソウルから江原道東海市までの高速道路があまり直線で結ばれていなさそうで、それがKTXの方の所要時間の短さに表れていそうです。

一方で、KTXの方で正東津~東海間は在来線を走行するということで、思った程バスより速くない、という見方も出来ます。

最後に高速バスの運賃です


高速ターミナル~東海間
優等高速 :25,800ウォン(約2,580円)
プレミアム:28,500ウォン(約2,850円)
※100円=1,000ウォンとして計算

東ソウル~東海間
一般高速 :16,500ウォン(約1,650円)
優等高速 :24,300ウォン(約2,430円)
※100円=1,000ウォンとして計算


運賃を調べて思ったのは、日本を走る高速バスを基準にすると、優等高速でも十分に安いのに、一般高速はそれを遥かに上回る安さ、だということ。

でも、韓国の優等高速に乗車経験のある方ならおわかり頂けると思いますが、優等高速に一度でも乗ってしまうと、座席配列が1+2列が故のゆったりさが凄く有難く感じてしまうんですよね。

ですので、個人的には一般高速の乗車はおススメしません。

一方で気になるのが、僕が最後に韓国にいた時期より後の2016年11月から運行が始まったというプレミアム

インターネットで調べてみると、座席ごとに仕切りカーテンがあって、航空便搭乗時のような液晶スクリーンが座席前方に設置されていて、その液晶スクリーンでテレビ・ラジオが視聴出来て、液晶スクリーンにスマートフォン充電可能なUSB2.0ポートが付いていて等、これまでの韓国高速バスの概念を覆すサービス内容のようです。

ソウル~東海間の場合で見てみますと、高速バスのプレミアムに乗車したとしても、KTX一般室乗車料金より安いので、乗車コスト・サービス内容の両面でかなり魅力を感じます。

ただ、KTX一般室では利用出来るWi-Fiが高速バスのプレミアムにはないようで、これが本当だとするとサービス面唯一のマイナスポイントになってしまいますね。






終わりに:好み・旅程に応じて使い分けを


正東津経由東海行きKTX、そして競合の高速バスを調べてみて、タケオの考えは次の通りとなります。


料金の安さ重視:高速バスの一般高速
コストパフォーマンス重視:KTX一般室若しくは高速バスの優等高速
快適性重視:高速バスのプレミアム


鉄道ファンの僕としてはKTXを推すつもりでしたが、旅行者目線で考えると、総合的には高速バスの方が選択の幅が広いということになりました。

高速バスの運行本数が多いこと、好みに応じて何の種別に乗車するか選べることが大きく左右していますね。

一方でKTXの利点としては、渋滞に巻き込まれずに済む故の発着時刻の正確性と、高速バス路線がない正東津に乗り換えなしで行けるところにあると思います

よって結論としては。





KTX・バスは好み・旅程に応じて使い分けを!





皆さん(僕も含めて)もこれを機に韓国の江原道を観光して、その土地ならではの魅力に触れてみるのは如何でしょうか。

0 件のコメント:

コメントを投稿