韓国の鉄道事情が気になるタケオです。
来る2017年12月22日(金)、韓国高速鉄道KTX (Korea Train eXpress) がついにオリンピック・パラリンピックの開かれる平昌 (평창、ピョンチャン) を通ることになりました。
そこで、今回は新たに開業するKTXの概要ついて書きたいと思います。
目次
1. 江原道を通るKTXの開業日
2. 江原道を通るKTX新路線の概要
3. 江原道を通るKTXの運行形態
4. 江原道を通るKTXの所要時間
5. 江原道を通るKTXの運賃
6. 終わりに
2017年11月27日、KTXの運行会社である韓国鉄道公社 (한국철도공사) 、通称KORAIL (코레일) は、平昌等を通って珍富 (진부) ・江陵 (강릉) まで行くKTXを2017年12月22日に開業すると発表しました。
今回の路線は、2018年2月8日~25日にかけて開かれる平昌オリンピックと、同年3月9日~18日の平昌パラリンピック開催期間中の重要な交通手段となるのは勿論のこと、江原道 (강원도、カンウォンド) に初めてKTXが走るということで、これまで高速バスしかないと言ってもいいくらいだった江原道各地へのアクセスがより便利になるという点でも注目を集めています。
※参考リンク
韓国鉄道公社公式ブログ2017年11月27日記事(韓国語)
江原道を通る新しいKTX路線は、以下の既存区間と新設区間で構成されます。
◎既存区間:仁川国際空港 (인천국제공항) ~ソウル (서울) ~清涼里 (청량리、チョンニャンニ) ~西原州 (서원주、ソウォンジュ)
細かく分けますと、仁川国際空港~水色間は空港鉄道 (공항철도) 、水色~ソウル~龍山は京義線 (경의선、キョンウィソン) 、龍山~清涼里は京元線 (경원선、キョンウォンソン) 、清涼里~西原州は中央線 (중앙선、チュンアンソン) の区間となります。
中央線の区間を中心に、KTX新路線開業に合わせ営業時速230kmで走行できるよう高速化事業が行われたようです。
しかし、京義線・京元線区間はソウル中心部又は住宅地を縫うように走る区間のため、ここでの速度は制限されるものと思われます。
◎新設区間:西原州~平昌~珍富~江陵
西原州より、平昌・珍富を通って、日本海(韓国名:東海)を望む町である終点の江陵までは、KTX京江線 (경강선、キョンガンソン) として新たに建設された区間です。
時速250kmでの走行が可能なように作られたそうです。
※参考リンク
朝鮮日報2017年1月4日配信記事
江原道を通るKTXは通常ソウル又は清涼里発着となりますが、平昌オリンピック・パラリンピック開催期間前後の2018年1月26日~3月22日までは仁川国際空港まで運転区間が延長されます。
特に平昌オリンピック期間前後の2018年2月中は、仁川国際空港発KTXが7:00~22:00の間毎時00分の発車となるため、仁川国際空港で飛行機を降りた後に直接平昌オリンピック開催会場近くまでアクセス可能ということで、非常に便利になります。
但し、スケート系の競技場は江陵、ノルディックスキーやジャンプの競技場は珍富といったように、観戦したい競技によって降りるべき駅が異なってくることに注意が必要です。
尚、江原道を通るKTXに使用される車両については、通常時は全てKTX-山川 (KTX-산천) となるようです。
オリンピック期間中の時刻表にはっきり記載されてはいませんが、恐らくKTX-山川を中心に運行されるものと思われます。
詳しくは下記リンクから所定箇所をクリックし、Excelファイル形式の時刻表をご確認下さい。
時刻表中の駅名は、ハングルだけでなく、アルファベットや漢字でも表記されているので、韓国語がわからない方でも理解できるようになっています。
KORAIL列車の運賃及び時刻表(韓国語)
江原道を通るKTXの(大体の)所要時間は以下の通りです。
ソウル~平昌 :1時間30分
仁川国際空港~平昌:2時間20分
ソウル~珍富 :1時間40分
仁川国際空港~珍富:2時間30分
ソウル~江陵 :2時間
仁川国際空港~江陵:2時間50分
ソウルから江陵までは、他に有力な交通手段として高速バスがありますが、高速ターミナル (고속터미널) からだと2時間50分、東ソウル総合ターミナル (동서울종합터미널) だと2時間20分ということで、東ソウル総合ターミナルと比較すると案外KTXは速くないという印象です。
これは、新路線の半分以上を既存路線に頼っているため、いくら高速化の工事を行っても大幅な時間短縮は不可能だということが背景にあると思います。
但し、高速バスの場合は渋滞による遅延の恐れというデメリットがありますので、異常事態が発生しない限り大幅な遅延がないのがKTX乗車のメリットになりますね。
江原道を通るKTXの主な運賃は以下の通りです。
尚、KTXは基本的に全席指定で、新幹線の指定席に相当する一般室 (일반실) と、グリーン車に相当する特室 (특실) がありますが、以下の運賃は全て一般室に乗車した際のものです。
また、2018年1月13日より仁川国際空港第2ターミナル駅が開業予定ですが、以下の「仁川国際空港」は現行の第1ターミナルに付設されている駅の場合です。
ソウル~平昌 :19,700ウォン(約2,040円)
仁川国際空港~平昌:32,100ウォン(約3,325円)
ソウル~珍富 :21,900ウォン(約2,270円)
仁川国際空港~珍富:34,400ウォン(約3,570円)
ソウル~江陵 :27,600ウォン(約2,860円)
仁川国際空港~江陵:40,100ウォン(約4,155円)
高速バスと比較した結果、平昌・珍富であればKTX、江陵であれば好みに応じてKTX若しくは高速バスを利用、ということになるでしょう。
更に、江陵に向かわれる方は、お金を多少使ってもいいから、移動による負担を軽くしたい場合はKTXに乗車、時間には余裕を持てるから、とにかく金銭的負担を少なくしたい場合は高速バスを利用するのが良い方法かと思います。
そして、KTXの乗車券発売は、なんと今日2017年11月30日から始まっているそうです。
開業日が発表されて間もない内に乗車券発売というのは、利用者側としてはもう少し発表を早くしてほしい感が否めませんが、とにかく平昌オリンピック会場までKTXを利用したい方はお早目の乗車券購入をおススメします!
来る2017年12月22日(金)、韓国高速鉄道KTX (Korea Train eXpress) がついにオリンピック・パラリンピックの開かれる平昌 (평창、ピョンチャン) を通ることになりました。
そこで、今回は新たに開業するKTXの概要ついて書きたいと思います。
目次
1. 江原道を通るKTXの開業日
2. 江原道を通るKTX新路線の概要
3. 江原道を通るKTXの運行形態
4. 江原道を通るKTXの所要時間
5. 江原道を通るKTXの運賃
6. 終わりに
江原道を通るKTXの開業日
2017年11月27日、KTXの運行会社である韓国鉄道公社 (한국철도공사) 、通称KORAIL (코레일) は、平昌等を通って珍富 (진부) ・江陵 (강릉) まで行くKTXを2017年12月22日に開業すると発表しました。
今回の路線は、2018年2月8日~25日にかけて開かれる平昌オリンピックと、同年3月9日~18日の平昌パラリンピック開催期間中の重要な交通手段となるのは勿論のこと、江原道 (강원도、カンウォンド) に初めてKTXが走るということで、これまで高速バスしかないと言ってもいいくらいだった江原道各地へのアクセスがより便利になるという点でも注目を集めています。
※参考リンク
韓国鉄道公社公式ブログ2017年11月27日記事(韓国語)
江原道を通るKTX新路線の概要
江原道を通る新しいKTX路線は、以下の既存区間と新設区間で構成されます。
◎既存区間:仁川国際空港 (인천국제공항) ~ソウル (서울) ~清涼里 (청량리、チョンニャンニ) ~西原州 (서원주、ソウォンジュ)
細かく分けますと、仁川国際空港~水色間は空港鉄道 (공항철도) 、水色~ソウル~龍山は京義線 (경의선、キョンウィソン) 、龍山~清涼里は京元線 (경원선、キョンウォンソン) 、清涼里~西原州は中央線 (중앙선、チュンアンソン) の区間となります。
中央線の区間を中心に、KTX新路線開業に合わせ営業時速230kmで走行できるよう高速化事業が行われたようです。
しかし、京義線・京元線区間はソウル中心部又は住宅地を縫うように走る区間のため、ここでの速度は制限されるものと思われます。
◎新設区間:西原州~平昌~珍富~江陵
西原州より、平昌・珍富を通って、日本海(韓国名:東海)を望む町である終点の江陵までは、KTX京江線 (경강선、キョンガンソン) として新たに建設された区間です。
時速250kmでの走行が可能なように作られたそうです。
※参考リンク
朝鮮日報2017年1月4日配信記事
韓国・国土交通部配信動画「平昌オリンピックの足『京江線KTX』を紹介!(평창 동계올림픽의 발 '경강선 KTX'를 소개합니다)」
江原道を通るKTXの運行形態
江原道を通るKTXは通常ソウル又は清涼里発着となりますが、平昌オリンピック・パラリンピック開催期間前後の2018年1月26日~3月22日までは仁川国際空港まで運転区間が延長されます。
特に平昌オリンピック期間前後の2018年2月中は、仁川国際空港発KTXが7:00~22:00の間毎時00分の発車となるため、仁川国際空港で飛行機を降りた後に直接平昌オリンピック開催会場近くまでアクセス可能ということで、非常に便利になります。
但し、スケート系の競技場は江陵、ノルディックスキーやジャンプの競技場は珍富といったように、観戦したい競技によって降りるべき駅が異なってくることに注意が必要です。
尚、江原道を通るKTXに使用される車両については、通常時は全てKTX-山川 (KTX-산천) となるようです。
オリンピック期間中の時刻表にはっきり記載されてはいませんが、恐らくKTX-山川を中心に運行されるものと思われます。
詳しくは下記リンクから所定箇所をクリックし、Excelファイル形式の時刻表をご確認下さい。
時刻表中の駅名は、ハングルだけでなく、アルファベットや漢字でも表記されているので、韓国語がわからない方でも理解できるようになっています。
KORAIL列車の運賃及び時刻表(韓国語)
リンク下方にある「경강선 다운로드(京江線ダウンロード)」をクリックすると、Excelファイル形式の時刻表が出てきます。 |
江原道を通るKTXの所要時間
江原道を通るKTXの(大体の)所要時間は以下の通りです。
ソウル~平昌 :1時間30分
仁川国際空港~平昌:2時間20分
ソウル~珍富 :1時間40分
仁川国際空港~珍富:2時間30分
ソウル~江陵 :2時間
仁川国際空港~江陵:2時間50分
ソウルから江陵までは、他に有力な交通手段として高速バスがありますが、高速ターミナル (고속터미널) からだと2時間50分、東ソウル総合ターミナル (동서울종합터미널) だと2時間20分ということで、東ソウル総合ターミナルと比較すると案外KTXは速くないという印象です。
これは、新路線の半分以上を既存路線に頼っているため、いくら高速化の工事を行っても大幅な時間短縮は不可能だということが背景にあると思います。
但し、高速バスの場合は渋滞による遅延の恐れというデメリットがありますので、異常事態が発生しない限り大幅な遅延がないのがKTX乗車のメリットになりますね。
江原道を通るKTXの運賃
江原道を通るKTXの主な運賃は以下の通りです。
尚、KTXは基本的に全席指定で、新幹線の指定席に相当する一般室 (일반실) と、グリーン車に相当する特室 (특실) がありますが、以下の運賃は全て一般室に乗車した際のものです。
また、2018年1月13日より仁川国際空港第2ターミナル駅が開業予定ですが、以下の「仁川国際空港」は現行の第1ターミナルに付設されている駅の場合です。
ソウル~平昌 :19,700ウォン(約2,040円)
仁川国際空港~平昌:32,100ウォン(約3,325円)
ソウル~珍富 :21,900ウォン(約2,270円)
仁川国際空港~珍富:34,400ウォン(約3,570円)
ソウル~江陵 :27,600ウォン(約2,860円)
仁川国際空港~江陵:40,100ウォン(約4,155円)
これまたソウル~江陵の高速バスと比較すると、高速ターミナル発着の優等バス(2+1列の高速バスのこと)は21,500ウォン(約2,225円)、東ソウル総合ターミナル発着の優等バスは15,000ウォン(約1,550円)ということで、特に東ソウル総合ターミナル発着と比較してしまうと割高に感じます。
終わりに
高速バスと比較した結果、平昌・珍富であればKTX、江陵であれば好みに応じてKTX若しくは高速バスを利用、ということになるでしょう。
更に、江陵に向かわれる方は、お金を多少使ってもいいから、移動による負担を軽くしたい場合はKTXに乗車、時間には余裕を持てるから、とにかく金銭的負担を少なくしたい場合は高速バスを利用するのが良い方法かと思います。
そして、KTXの乗車券発売は、なんと今日2017年11月30日から始まっているそうです。
開業日が発表されて間もない内に乗車券発売というのは、利用者側としてはもう少し発表を早くしてほしい感が否めませんが、とにかく平昌オリンピック会場までKTXを利用したい方はお早目の乗車券購入をおススメします!