ドイツ連邦議会総選挙後もドイツの政治に注目しているタケオです。
2017年9月24日(日)に投票が行われたドイツ連邦議会議員選挙 (Bundestagswahl) 後初の州議会議員選挙 (Landtagswahl) として、2017年10月15日(日)にニーダーザクセン州 (Bundesland Niedersachsen) で、州議会議員選挙が行われました。
シュレスヴィヒ=ホルシュタイン州は、かつて旧西ドイツに属していた連邦州で、オランダと国境を接しています。
州都はキール (Kiel) で、州全体の人口は約783万人です。
ニーダーザクセン州と言えばやはりヴォルフスブルク (Wolfsburg) 、ドイツを代表する世界的自動車製造・販売会社フォルクスワーゲン (Volkswagen) の本社・生産工場がヴォルフスブルクにあります。
また、州中部にある都市ハノーファー (Hannover) は「見本市の町」として知られ、毎年ハノーファー見本市 (Hannover Messe) やCeBIT (Centrum für Büroautomation, Informationstechnologie und Telekommunikation、職場のオートメーション・情報技術・テレコミュニケーションセンター) が開かれています。
尚、2017年9月24日に投開票が行われたドイツ連邦議会総選挙 (Bunestagswahl) の結果は以下の通りでした。
小選挙区 (Erststimme) 獲得数(全30区)
ドイツキリスト教民主同盟 (CDU)・バイエルン・キリスト教社会同盟 (CSU) 連合:16
ドイツ社会民主党 (SPD):14
比例区 (Zweitstimme) 得票率
ドイツキリスト教民主同盟 (CDU)・バイエルン・キリスト教社会同盟 (CSU) 連合:34.9%
ドイツ社会民主党 (SPD):27.4%
ドイツのための選択肢 (AfD):9.1%
自由民主党 (FDP):9.3%
左翼党 (Die LINKE):7.0%
同盟90/緑の党 (Bündnis 90/Die Grüne):8.7%
※参考リンク
ニーダーザクセン紹介|ニーダーザクセン州(日本語)
ドイツ連邦議会総選挙ニーダーザクセン州の結果|ドイツ選挙管理委員会(ドイツ語)
ドイツ連邦議会総選挙特設ページ|ARD(ドイツ語)
ドイツを構成する連邦州の州議会選挙は5年毎に行われ、投票数全体に対する対政党得票率に沿って、政党へ議席が配分される仕組みとなっています。
本来であれば2018年に選挙の予定でしたが、政権運営をしていたドイツ社会民主党 (SPD) と同盟90/緑の党 (Bündnis 90/Die Grüne) との連立政権の中で、同盟90/緑の党から離党してドイツキリスト教民主同盟 (CDU) に鞍替えした議員が出たことで過半数を割った形となりました。
そこでニーダーザクセン州議会が議員による賛成多数での解散を決議(ニーダーザクセン州法第10条に基づく)したことで、当初予定より1年程前倒しでの選挙となりました。
※参考リンク
ツァイト紙2017年8月21日配信「ニーダーザクセン州議会 解散を決議 (Landtag in Niedersachsen stimmt für Selbstauflösung) 」(ドイツ語)
ドイツキリスト教民主同盟:33.6%
(投票率63.1%)
アンゲラ・メルケル (Angela Merkel) 首相率いるドイツキリスト教民主同盟は、得票率が前回から2.4%下がり、議席数において第二党に転落。
一方でドイツ社会民主党は、得票率を前回から4.3%上げて、ドイツキリスト教民主同盟に代わって第一党となりました。
ドイツのための選択肢が得票率6.4%を獲得し、ニーダーザクセン州議会で初めての議席を獲得。
自由民主党は得票率7.5%と前回から2.4%下げましたが議席を維持しました。
ニーダーザクセン州で政権運営の一翼を担っていた緑の党は得票率を前回から5.0%も下げる結果に。
左翼党は得票率4.6%と、前回と同様議席獲得の条件となる得票率5%を満たすことは出来ませんでした。
ドイツキリスト教民主同盟:50議席
ドイツキリスト教民主同盟に代わってドイツ社会民主党が第一党となったものの、政権運営をスムーズに行うための単独過半数には至らなかったため、他党との連立交渉が必要になっています。
政策傾向が比較的似ている同盟90/緑の党が議席数を大幅に減らしてしまい、ドイツ社会民主党と同盟90/緑の党が手を組んでも過半数の69議席にあと2議席足りないことから、もう一党との連立が不可欠になります。
しかし、他の政党は保守傾向なために交渉は容易ではないと見込まれ、難航を極めそうです。
他の選択肢としては、ドイツキリスト教民主同盟・自由民主党・同盟90/緑の党のそれぞれのイメージカラーから名付けられた「ジャマイカ連立 (Jamaika Koalition) 」が有力視されていますが、これに関しても自由民主党と同盟90/緑の党の間に隔たりがあり、簡単な交渉にはならないことが予想されます。
こうしたことから、いずれの連立交渉も非常に不透明な情勢になっています。
2017年9月24日(日)に投票が行われたドイツ連邦議会議員選挙 (Bundestagswahl) 後初の州議会議員選挙 (Landtagswahl) として、2017年10月15日(日)にニーダーザクセン州 (Bundesland Niedersachsen) で、州議会議員選挙が行われました。
ニーダーザクセン州ついて
シュレスヴィヒ=ホルシュタイン州は、かつて旧西ドイツに属していた連邦州で、オランダと国境を接しています。
州都はキール (Kiel) で、州全体の人口は約783万人です。
ニーダーザクセン州と言えばやはりヴォルフスブルク (Wolfsburg) 、ドイツを代表する世界的自動車製造・販売会社フォルクスワーゲン (Volkswagen) の本社・生産工場がヴォルフスブルクにあります。
また、州中部にある都市ハノーファー (Hannover) は「見本市の町」として知られ、毎年ハノーファー見本市 (Hannover Messe) やCeBIT (Centrum für Büroautomation, Informationstechnologie und Telekommunikation、職場のオートメーション・情報技術・テレコミュニケーションセンター) が開かれています。
尚、2017年9月24日に投開票が行われたドイツ連邦議会総選挙 (Bunestagswahl) の結果は以下の通りでした。
小選挙区 (Erststimme) 獲得数(全30区)
ドイツキリスト教民主同盟 (CDU)・バイエルン・キリスト教社会同盟 (CSU) 連合:16
ドイツ社会民主党 (SPD):14
比例区 (Zweitstimme) 得票率
ドイツキリスト教民主同盟 (CDU)・バイエルン・キリスト教社会同盟 (CSU) 連合:34.9%
ドイツ社会民主党 (SPD):27.4%
ドイツのための選択肢 (AfD):9.1%
自由民主党 (FDP):9.3%
左翼党 (Die LINKE):7.0%
同盟90/緑の党 (Bündnis 90/Die Grüne):8.7%
※参考リンク
ニーダーザクセン紹介|ニーダーザクセン州(日本語)
ドイツ連邦議会総選挙ニーダーザクセン州の結果|ドイツ選挙管理委員会(ドイツ語)
ドイツ連邦議会総選挙特設ページ|ARD(ドイツ語)
ニーダーザクセン州地図
ニーダーザクセン州議会選挙結果
ドイツを構成する連邦州の州議会選挙は5年毎に行われ、投票数全体に対する対政党得票率に沿って、政党へ議席が配分される仕組みとなっています。
本来であれば2018年に選挙の予定でしたが、政権運営をしていたドイツ社会民主党 (SPD) と同盟90/緑の党 (Bündnis 90/Die Grüne) との連立政権の中で、同盟90/緑の党から離党してドイツキリスト教民主同盟 (CDU) に鞍替えした議員が出たことで過半数を割った形となりました。
そこでニーダーザクセン州議会が議員による賛成多数での解散を決議(ニーダーザクセン州法第10条に基づく)したことで、当初予定より1年程前倒しでの選挙となりました。
※参考リンク
ツァイト紙2017年8月21日配信「ニーダーザクセン州議会 解散を決議 (Landtag in Niedersachsen stimmt für Selbstauflösung) 」(ドイツ語)
下記ARD記事によりますと、選挙結果は以下の通りでした。
ドイツキリスト教民主同盟:33.6%
ドイツ社会民主党:36.9%
ドイツのための選択肢:6.2%
自由民主党:7.5%
自由民主党:7.5%
左翼党:4.6%
同盟90/緑の党:8.7%
(投票率63.1%)
アンゲラ・メルケル (Angela Merkel) 首相率いるドイツキリスト教民主同盟は、得票率が前回から2.4%下がり、議席数において第二党に転落。
一方でドイツ社会民主党は、得票率を前回から4.3%上げて、ドイツキリスト教民主同盟に代わって第一党となりました。
ドイツのための選択肢が得票率6.4%を獲得し、ニーダーザクセン州議会で初めての議席を獲得。
自由民主党は得票率7.5%と前回から2.4%下げましたが議席を維持しました。
ニーダーザクセン州で政権運営の一翼を担っていた緑の党は得票率を前回から5.0%も下げる結果に。
左翼党は得票率4.6%と、前回と同様議席獲得の条件となる得票率5%を満たすことは出来ませんでした。
この結果、ニーダーザクセン州議会全137議席の配分は以下の通りとなりました。
ドイツキリスト教民主同盟:50議席
ドイツ社会民主党:55議席
ドイツのための選択肢:9議席
自由民主党:11議席
自由民主党:11議席
同盟90/緑の党:12議席
ニーダーザクセン州議会での連立交渉は難航?
ドイツキリスト教民主同盟に代わってドイツ社会民主党が第一党となったものの、政権運営をスムーズに行うための単独過半数には至らなかったため、他党との連立交渉が必要になっています。
政策傾向が比較的似ている同盟90/緑の党が議席数を大幅に減らしてしまい、ドイツ社会民主党と同盟90/緑の党が手を組んでも過半数の69議席にあと2議席足りないことから、もう一党との連立が不可欠になります。
しかし、他の政党は保守傾向なために交渉は容易ではないと見込まれ、難航を極めそうです。
他の選択肢としては、ドイツキリスト教民主同盟・自由民主党・同盟90/緑の党のそれぞれのイメージカラーから名付けられた「ジャマイカ連立 (Jamaika Koalition) 」が有力視されていますが、これに関しても自由民主党と同盟90/緑の党の間に隔たりがあり、簡単な交渉にはならないことが予想されます。
こうしたことから、いずれの連立交渉も非常に不透明な情勢になっています。
終わりに-メルケル首相の求心力回復なるか?
今回のニーダーザクセン州議会選挙で特筆すべきことは、ドイツ社会民主党に対する支持の回復傾向及びアンゲラ・メルケル首相率いるドイツキリスト教民主同盟の支持率低下です。
ドイツ連邦議会総選挙後、これまでドイツキリスト教民主同盟等と組んでいた所謂「大連立 (Große Koalition) 」から離れ、野党第一党の道を選ぶことを表明したドイツ社会民主党のマルティン・シュルツ党首 (Martin Schultz) にとっては、ドイツ有権者の支持回復に向けて幸先の良い再スタートを切ることが出来たということが言えるでしょう。
一方で、フォルクスワーゲンが本社を置く連邦州としてドイツ経済の更なる発展に欠かせないニーダーザクセン州の州議会で議会第一党から転落したドイツキリスト教民主同盟にとっては、今回の選挙での打撃は決して小さくはありません。
2017年10月18日から始まる、ドイツ連邦議会における自由民主党及び同盟90/緑の党との連立交渉にどのような影響を与えるか注目されます。
参考リンク
ドイツ連邦議会総選挙後、これまでドイツキリスト教民主同盟等と組んでいた所謂「大連立 (Große Koalition) 」から離れ、野党第一党の道を選ぶことを表明したドイツ社会民主党のマルティン・シュルツ党首 (Martin Schultz) にとっては、ドイツ有権者の支持回復に向けて幸先の良い再スタートを切ることが出来たということが言えるでしょう。
ニーダーザクセン州議会選挙の勝利宣言を行うマルティン・シュルツ・ドイツ社会民主党党首(2017年10月15日)
一方で、フォルクスワーゲンが本社を置く連邦州としてドイツ経済の更なる発展に欠かせないニーダーザクセン州の州議会で議会第一党から転落したドイツキリスト教民主同盟にとっては、今回の選挙での打撃は決して小さくはありません。
2017年10月18日から始まる、ドイツ連邦議会における自由民主党及び同盟90/緑の党との連立交渉にどのような影響を与えるか注目されます。
参考リンク
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