前回Part 1はこちら
北朝鮮情勢だけでなく、ドイツ政治情勢の行く末を見守っているタケオです。
2017年9月24日のドイツ連邦議会総選挙まで1ヶ月を切りました
今回はドイツ連邦議会総選挙での議席獲得を狙うドイツの政党について、2017年1月時点で議席数の多い順に紹介していきます。
尚、僕はドイツ政治専門家というわけではありませんので、僕自身も勉強という意味で、主にドイツ語資料を参考にしながら見ていきたいと思います。
目次
1. ドイツ連邦議会総選挙における政党の選挙戦略の流れ
2. ドイツキリスト教民主同盟 (CDU)
3. ドイツ社会民主党 (SPD)
4. 左翼党 (Die LINKE)
5. 同盟90/緑の党 (Bündnis 90/Die Grüne)
6. バイエルン・キリスト教社会同盟 (CSU)
7. 自由民主党 (FDP)
8. ドイツのための選択肢 (AfD)
9. 終わりに
ドイツの政党を紹介する前に、ドイツ連邦議会総選挙の選挙日前に、ドイツの政党がどのような活動をするのかを見ていきます。
ドイツでは、日本のように選挙の告示日以降でなければ街頭演説等の選挙運動をしてはならないというものはないそうで、主に党内投票にて選挙戦における顔となる代表候補者 (Spitzenkandidat) 、特にドイツ連邦議会で多くの議員を抱えている政党については首相候補者 (Kanzlerkandidat) が選出されてからが実質的な選挙運動のスタートと言えるようです。
代表候補者は総選挙での公約 (Wahlprogramm) 作成を先導し、ラジオ・テレビ局からのインタビューもこなします。
以降の章から各政党のことを詳しく見ていきます。
党設立年:1945年
2013年小選挙区獲得数:191
2013年比例代表得票率:34.1%
2017年1月現在議席数:253
党設立以来保守の流れを汲んでいますが、昨今は2022年までのドイツ内原子力発電所全廃や移民・難民の積極的受け入れ等中道右派寄りになっている、ドイツの代表的政党。
旧西ドイツ時代から数えると、コンラード・アデナウアー(Konrad Adenauer)、ルードヴィヒ・エアハルト (Ludwig Erhard) 、クルト・ゲオルク・キージンガー (Kurt Georg Kiesinger) 、ヘルムート・コール (Helmut Kohl) 、そして現在のアンゲラ・メルケル氏 (Angela Merkel) と、これまで5人の首相を送り出しています。
前回2013年のドイツ連邦議会総選挙では、バーデン=ヴュルテンベルク州 (Baden-Würtemburg) 、メクレンブルク=フォアポンメルン州 (Mecklenburg-Vorpommern) 、ザクセン州 (Sachsen) 、ザクセン=アンハルト州 (Sachsen-Anhalt) 、ザールラント州 (Saarland) 、チューリンゲン州 (Thüringen) 6州の全小選挙区を制する等して、第一党の座を獲得しました。
幼少期から東西ドイツ統一 (Wiedervereinigung) までを旧東ドイツで過ごし、2005年から首相の座に就いているメルケル氏が、2016年11月の記者会見で4期目の首相を目指すことを表明しました。
参考リンク
ドイツキリスト教民主同盟公式ウェブサイト(ドイツ語)
1949年以降の首相|ドイツ連邦首相府(ドイツ語)
党設立年:1875年(ドイツ社会労働党として)
2013年小選挙区獲得数:58
2013年比例代表得票率:25.7%
2017年1月現在議席数:193
1871年のプロイセン王国 (Königreich Preußen) によるドイツ統一から僅か4年後にドイツ社会労働党 (Sozialistische Arbeiterpartei Deutschlands, SAP) として結党された、中道左派路線の歴史ある政党で、1890年から現政党名。
これまでヴィリー・ブラント (Willy Brandt) 、 ヘルムート・シュミット (Helmut Schmidt) 、ゲアハルト・シュレーダー氏 (Gerhard Schröder) の3人が首相の座に就きました。
前回2013年のドイツ連邦議会総選挙では、ブレーメン市 (Bremen) とハンブルク市 (Hamburg) でドイツキリスト教民主同盟より多くの小選挙区議席を勝ち取ったものの、議会第一党とはなりませんでした。
それでも現在は、キリスト教民主同盟・バイエルン・キリスト教社会同盟と共に、いわゆる「大連立 (Große Koalition) 」を組んで政権運営の一翼を担っています。
しかし、2017年3月の党員投票において異例の100%支持で党首及び首相候補者に選出された前欧州議会議長マルティン・シュルツ氏 (Martin Schluz) は、メルケル氏との対決姿勢を鮮明にし、今回の総選挙でシューレーダ氏時代以来の第一党の座並びに政権奪回を狙っています。
ドイツ公共放送局ARDの、マルティン・シュルツ氏とのインタビュー番組(2017年5月15日放送)
参考リンク
ドイツ社会民主党公式ウェブサイト(ドイツ語)
1949年以降の首相|ドイツ連邦首相府(ドイツ語)
今回の総選挙での代表候補者は、党内対立の関係から、現党首であるカトヤ・キッピング氏 (Katja Kipping) とベルント・リーキシンガー氏 (Bernd Riexinger) ではなく、父親がイラン人で旧東ドイツ・イェーナ (Jena) 出身のザーラ・ヴァーゲンクネヒト氏 (Sahra Wagenknecht) と、旧東ドイツ時代は支配政党のドイツ社会主義統一党 (Sozialistische Einheitspartei Deutschlands) の党員だったディートマール・バルチュ氏 (Dietmar Bartsch) が選出されました。
参考リンク
左翼党公式ウェブサイト(ドイツ語)
2013年ドイツ連邦議会総選挙結果資料3|ドイツ選挙管理委員会(ドイツ語)
ザーラ・ヴァーゲンクネヒト|ドイツ連邦議会(ドイツ語)
ディートマール・バルチュ公式ウェブサイト(ドイツ語)
ツァイト紙2016年12月4日配信「バルチュとヴァーゲンクネヒトが左翼党代表候補者に (Bartsch und Wagenknecht sind Spitzenkandidaten der Linken) 」(ドイツ語)
北朝鮮情勢だけでなく、ドイツ政治情勢の行く末を見守っているタケオです。
2017年9月24日のドイツ連邦議会総選挙まで1ヶ月を切りました
今回はドイツ連邦議会総選挙での議席獲得を狙うドイツの政党について、2017年1月時点で議席数の多い順に紹介していきます。
尚、僕はドイツ政治専門家というわけではありませんので、僕自身も勉強という意味で、主にドイツ語資料を参考にしながら見ていきたいと思います。
目次
1. ドイツ連邦議会総選挙における政党の選挙戦略の流れ
2. ドイツキリスト教民主同盟 (CDU)
3. ドイツ社会民主党 (SPD)
4. 左翼党 (Die LINKE)
5. 同盟90/緑の党 (Bündnis 90/Die Grüne)
6. バイエルン・キリスト教社会同盟 (CSU)
7. 自由民主党 (FDP)
8. ドイツのための選択肢 (AfD)
9. 終わりに
ドイツ連邦議会総選挙における政党の選挙戦の流れ
ドイツの政党を紹介する前に、ドイツ連邦議会総選挙の選挙日前に、ドイツの政党がどのような活動をするのかを見ていきます。
ドイツでは、日本のように選挙の告示日以降でなければ街頭演説等の選挙運動をしてはならないというものはないそうで、主に党内投票にて選挙戦における顔となる代表候補者 (Spitzenkandidat) 、特にドイツ連邦議会で多くの議員を抱えている政党については首相候補者 (Kanzlerkandidat) が選出されてからが実質的な選挙運動のスタートと言えるようです。
今回のドイツ連邦議会総選挙における政党別代表候補者が決まったのは、昨年2016年12月~2017年4月にかけてでしたので、日本の選挙運動と比べると随分早くから政党の公約アピールが始まることとなります。
代表候補者は総選挙での公約 (Wahlprogramm) 作成を先導し、ラジオ・テレビ局からのインタビューもこなします。
以降の章から各政党のことを詳しく見ていきます。
ドイツキリスト教民主同盟 (CDU)
党設立年:1945年
2013年小選挙区獲得数:191
2013年比例代表得票率:34.1%
2017年1月現在議席数:253
党設立以来保守の流れを汲んでいますが、昨今は2022年までのドイツ内原子力発電所全廃や移民・難民の積極的受け入れ等中道右派寄りになっている、ドイツの代表的政党。
旧西ドイツ時代から数えると、コンラード・アデナウアー(Konrad Adenauer)、ルードヴィヒ・エアハルト (Ludwig Erhard) 、クルト・ゲオルク・キージンガー (Kurt Georg Kiesinger) 、ヘルムート・コール (Helmut Kohl) 、そして現在のアンゲラ・メルケル氏 (Angela Merkel) と、これまで5人の首相を送り出しています。
前回2013年のドイツ連邦議会総選挙では、バーデン=ヴュルテンベルク州 (Baden-Würtemburg) 、メクレンブルク=フォアポンメルン州 (Mecklenburg-Vorpommern) 、ザクセン州 (Sachsen) 、ザクセン=アンハルト州 (Sachsen-Anhalt) 、ザールラント州 (Saarland) 、チューリンゲン州 (Thüringen) 6州の全小選挙区を制する等して、第一党の座を獲得しました。
幼少期から東西ドイツ統一 (Wiedervereinigung) までを旧東ドイツで過ごし、2005年から首相の座に就いているメルケル氏が、2016年11月の記者会見で4期目の首相を目指すことを表明しました。
ドイツ連邦政府オープンデー (Tag der offenen Tür der Bundesregierung) にて、連邦首相府 (Bundeskanzleramt) でドイツ一般民衆と握手するアンゲラ・メルケル氏(2015年8月30日撮影) |
ドイツ公共放送局ARDの、アンゲラ・メルケル氏とのインタビュー番組(2017年7月16日放送)
参考リンク
ドイツキリスト教民主同盟公式ウェブサイト(ドイツ語)
1949年以降の首相|ドイツ連邦首相府(ドイツ語)
2013年ドイツ連邦議会総選挙結果資料3|ドイツ選挙管理委員会(ドイツ語)
ドイッチェ・ヴェレ2013年9月23日配信「ドイツ歴代首相‐アデナウアーからメルケルまで (Die deutschen Bundeskanzler von Adenauer bis Merkel) 」(ドイツ語)
南ドイツ新聞2016年11月20日配信「メルケル再登板 (Merkel tritt wieder an) 」(ドイツ語)
ドイッチェ・ヴェレ2013年9月23日配信「ドイツ歴代首相‐アデナウアーからメルケルまで (Die deutschen Bundeskanzler von Adenauer bis Merkel) 」(ドイツ語)
南ドイツ新聞2016年11月20日配信「メルケル再登板 (Merkel tritt wieder an) 」(ドイツ語)
ドイツ社会民主党 (SPD)
党設立年:1875年(ドイツ社会労働党として)
2013年小選挙区獲得数:58
2013年比例代表得票率:25.7%
2017年1月現在議席数:193
1871年のプロイセン王国 (Königreich Preußen) によるドイツ統一から僅か4年後にドイツ社会労働党 (Sozialistische Arbeiterpartei Deutschlands, SAP) として結党された、中道左派路線の歴史ある政党で、1890年から現政党名。
これまでヴィリー・ブラント (Willy Brandt) 、 ヘルムート・シュミット (Helmut Schmidt) 、ゲアハルト・シュレーダー氏 (Gerhard Schröder) の3人が首相の座に就きました。
前回2013年のドイツ連邦議会総選挙では、ブレーメン市 (Bremen) とハンブルク市 (Hamburg) でドイツキリスト教民主同盟より多くの小選挙区議席を勝ち取ったものの、議会第一党とはなりませんでした。
それでも現在は、キリスト教民主同盟・バイエルン・キリスト教社会同盟と共に、いわゆる「大連立 (Große Koalition) 」を組んで政権運営の一翼を担っています。
しかし、2017年3月の党員投票において異例の100%支持で党首及び首相候補者に選出された前欧州議会議長マルティン・シュルツ氏 (Martin Schluz) は、メルケル氏との対決姿勢を鮮明にし、今回の総選挙でシューレーダ氏時代以来の第一党の座並びに政権奪回を狙っています。
参考リンク
ドイツ社会民主党公式ウェブサイト(ドイツ語)
1949年以降の首相|ドイツ連邦首相府(ドイツ語)
2013年ドイツ連邦議会総選挙結果資料3|ドイツ選挙管理委員会(ドイツ語)
ドイッチェ・ヴェレ2013年9月23日配信「ドイツ歴代首相‐アデナウアーからメルケルまで (Die deutschen Bundeskanzler von Adenauer bis Merkel) 」(ドイツ語)
マルティン・シュルツ‐100%候補者|ツァイト紙(ドイツ語)ドイッチェ・ヴェレ2013年9月23日配信「ドイツ歴代首相‐アデナウアーからメルケルまで (Die deutschen Bundeskanzler von Adenauer bis Merkel) 」(ドイツ語)
左翼党 (Die LINKE)
党設立年:2007年
2013年小選挙区獲得数:4
2013年比例代表得票率:8.6%
2017年1月現在議席数:64
ドイツ社会民主党にもかかわらず、2003年に発表された「アジェンダ2010 (Agenda 2010) 」等中道路線に舵を切っていたシュレーダー政権への批判勢力が集結して結党された、文字通り左派傾向の強い政党。
旧東ドイツ地域で強い地盤を持っていて、前回2013年のドイツ連邦議会総選挙では、旧東ベルリン (Ost-Berlin) 地域内の4つの小選挙区で議席を獲得した他、ベルリン市 (Berlin) を除く旧東ドイツ州の比例代表得票率が全て20%を超えました。
ドイツ語国際放送局ドイッチェ・ヴェレの、ザーラ・ヴァーゲンクネヒト氏とのインタビュー番組(2017年6月29日放送)
参考リンク
左翼党公式ウェブサイト(ドイツ語)
2013年ドイツ連邦議会総選挙結果資料3|ドイツ選挙管理委員会(ドイツ語)
ザーラ・ヴァーゲンクネヒト|ドイツ連邦議会(ドイツ語)
ディートマール・バルチュ公式ウェブサイト(ドイツ語)
ツァイト紙2016年12月4日配信「バルチュとヴァーゲンクネヒトが左翼党代表候補者に (Bartsch und Wagenknecht sind Spitzenkandidaten der Linken) 」(ドイツ語)
同盟90/緑の党 (Bündnis 90/Die Grüne)
党設立年:1993年
2013年小選挙区獲得数:1
2013年比例代表得票率:8.4%
2017年1月現在議席数:63
1980年に旧西ドイツで産声を上げた緑の党 (Die Grüne) と、1991年に結党された同盟90 (Bündnis 90) が1993年に合併して誕生しました。
今回の総選挙での代表候補者としては、現共同代表の一人である、トルコから合法出稼ぎ労働者 (Gastarbeiter、ガストアルバイター) としてドイツにやって来た両親の下で育ち、トルコ系ドイツ人としては初の連邦議会議員となったジェム・オズデミル氏 (Cem Özdemir) 。
そしてもう一人は、オズデミル氏との対立が深まっていたもう一人の共同代表ジモーネ・ペーター氏 (Simone Peter) ではなく、旧東ドイツ出身で、1989年には母国の民主化運動に参加していたカトリン・ゲーリング=エッカルト氏 (Katrin Göring-Eckardt) が選出されました。
ドイツ語国際放送局ドイッチェ・ヴェレの、ジェム・オズデミル氏とのインタビュー番組(2017年7月19日放送)
ドイツ公共放送局ARDの、カトリン・ゲーリング=エッカルト氏とのインタビュー番組(2017年7月2日放送)
そしてもう一人は、オズデミル氏との対立が深まっていたもう一人の共同代表ジモーネ・ペーター氏 (Simone Peter) ではなく、旧東ドイツ出身で、1989年には母国の民主化運動に参加していたカトリン・ゲーリング=エッカルト氏 (Katrin Göring-Eckardt) が選出されました。
参考リンク
バイエルン・キリスト教社会同盟 (CSU)
党設立年:1945年
2013年小選挙区獲得数:45
2013年比例代表得票率:7.4%
2017年1月現在議席数:56
バイエルン州 (Bayern) の地域政党ですが、1949年より現在まで継続してドイツキリスト教民主同盟と連立を組んでいて、国政にも進出しています。
ドイツキリスト教民主同盟はバイエルン・キリスト教社会同盟と選挙協力を行い、バイエルン州の小選挙区では全てバイエルン・キリスト教社会同盟所属の候補者として立候補しています。
前回2013年総選挙においては、バイエルン州に45ある小選挙区で全て議席を獲得した上に、比例代表で更に11議席を上乗せしました。
党首であるホルスト・ゼーホーファー氏 (Horst Seehofer) を中心に保守傾向が強く、連立先のトップであるメルケル首相とは、特に移民・難民受け入れ政策を中心に度々対立しますが、2017年2月にはゼーホーファー氏がメルケル氏の4期目の首相挑戦を容認しています。
参考リンク
自由民主党 (FDP)
党設立年:1948年
2013年小選挙区獲得数:0
2013年比例代表得票率:4.8%(議席獲得資格無し)
2017年1月現在議席数:0
1948年に旧西ドイツ中の自由主義を標榜する少数政党が結集して誕生した、主に国民自由主義を掲げる政党。
日本の同名の政党とは全く異なり、第一党となったことは一度もありませんが、1949年~2013年まで途切れることなくドイツ連邦議会に議員を送り込み、時にはドイツキリスト教民主同盟、またある時はドイツ社会民主党の連立パートナーとして重要な役割を果たしたこともあったようです。
しかし前回2013年の総選挙では、小選挙区で1つも勝てなかったどころか、比例代表得票率でも4.8%と、議席配分条件の5%に僅かに届かず、1949年以来の議席無しとなってしまいました。
前回の総選挙後に、当時若干34歳だったクリスティアン・リントナー氏 (Christian Lindner) が党首に就任、今回の総選挙では代表候補者としても議席回復、そしてその先の政権への連立パートナーとしての参加を狙っています。
参考リンク
自由民主党公式ウェブサイト(ドイツ語)
2013年ドイツ連邦議会総選挙結果資料3|ドイツ選挙管理委員会(ドイツ語)
自由民主党について|ドイツ連邦政治教育センター(ドイツ語)
ドイツのための選択肢 (AfD)
党設立年:2013年
2013年小選挙区獲得数:0
2013年比例代表得票率:4.7%(議席獲得資格無し)
2017年1月現在議席数:0
前回2013年総選挙の5ヶ月前に誕生したばかりの新しい政党。
いわゆる「ユーロ危機」における、財政危機に陥っていた欧州連合加盟国への財政支援への反対が党結成の契機であるため、統一通貨ユーロからの離脱が真っ先の党公約になっています。
しかし、難民申請受け入れの特定機関を通じての厳格化、モスクの外国からの財政支援禁止、ヒジャブ着用禁止、同性婚反対等をも党是としていて、周囲からは極右政党との評価が一般的です。
前回の総選挙では、結党から総選挙までの期間が短すぎたからか議席獲得には至りませんでしたが、それでも現在のドイツ経済の好調の恩恵に預かっていない人たちからの支持が急拡大し、前回総選挙以降に行われた欧州議会議員選挙 (Europawahl) 及びドイツ地方議会議員選挙 (Landtagswahl) では、少ないながらも軒並み議席を獲得し、今回の総選挙で国政レベルで初めての議席獲得なるかが注目されます。
但し、今回代表候補者として選出されたのは、ドイツ連邦議会進出に当たり極右路線から現実路線への変更を目指していた党首フラウケ・ペトリー氏 (Frauke Petry) ではなく、強硬派で76歳のアレクサンダー・ガウランド氏 (Alexander Gauland) と経済的自由主義論者で38歳のアリス・ワイデル氏 (Alice Weidel) で、強硬路線を選択したことが全ドイツ有権者にどのような影響を与えるかが気になるところです。
参考リンク
ドイツのための選択肢公式ウェブサイト(ドイツ語)
2013年ドイツ連邦議会総選挙結果資料3|ドイツ選挙管理委員会(ドイツ語)
ドイツのための選択肢について|ドイツ連邦政治教育センター(ドイツ語)
南ドイツ新聞2017年4月23日配信「ガウラントとワイデル AfDのドイツ連邦議会進出に挑む (Gauland und Weidel führen AfD in die Bundestagswahl) 」(ドイツ語)
終わりに
如何でしたか。
ドイツの政界は、基本的にはキリスト教民主同盟とドイツ社会民主党の2大政党制と見ることが出来ますが、その他にも主張の違いから様々な政党があることがわかりました。
それぞれの政党が今回の総選挙でどの位議席を獲得できるか注目したいと思います。
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