ソウル首都圏鉄道ぶらり旅第15弾として、首都圏電鉄1号線(수도권전철1호선)に乗って、『鉄道特区(철도특구)』として知られる京畿道(경기도、キョンギド)義王市(의왕시、ウィワンシ)の義王駅(의왕역、ウィワンヨッ)周辺を歩いてみました!
※首都圏電鉄1号線での旅は、下記リンクもご覧下さい。
韓国・仁川ソウルから日帰りの旅 Part 1
韓国・仁川ソウルから日帰りの旅 Part 2
韓国・仁川ソウルから日帰りの旅 Part 3
韓国・仁川ソウルから日帰りの旅 Part 4
ソウル首都圏鉄道ぶらり旅‐首都圏電鉄1号線逍遥山駅周辺を歩いてみた!
◎東大門駅~義王駅
東大門駅(동대문역、トンデムンニョッ)から1号線に乗り、義王駅を目指しました。
東大門駅から1号線に乗り込みます。 |
仁川(인천、インチョン)方面との分岐駅である九老駅(구로역、クロヨッ) |
九老駅近くにあるKORAIL(한국철도공사、韓国鉄道公社)車両基地 |
加山デジタル団地駅(가산디지털단지역)にて。 九老駅からは、釜山方面長距離・貨物列車線と1号線の方向別複々線になります。 |
衿川区庁駅(금천구청역、クムチョングチョンヨッ)を出ると、光明(광명、クァンミョン)方面支線が分かれます。 |
東大門駅を出て約1時間掛けて義王駅に到着! |
義王駅には機関車・貨車検修車庫があります。 |
◎義王駅周辺
義王駅周辺は、『鉄道特区』のアピールで溢れていました。
廃線跡を使ったレールバイクが多い中、義王レールバイク(의왕레일바이크)は全くの新設だそう。 |
義王駅1番出口は、韓国で走る列車を知ることのできるアーケードになっています。 |
KTXが新設される前は最速列車だった、セマウル号(세마을호)の絵。 |
2014年からセマウル号に新型車両が導入され、ITX-セマウル号(ITX-세마을호)として運行。 |
フランス・アルストム社等の技術を導入したことで始まった、韓国の高速列車KTX。 |
韓国唯一の鉄道製造会社現代ロテム社(현대로템)が試験運行を続けている動力分散式高速列車ヘム(해무)。 結局のところ、最近の報道によれば、営業運転開始は2020年の見込みのことですが、本当に実現するでしょうか?。。。 |
「ここは国内唯一の『義王鉄道特区』です("여기는 '극내유일의 의왕철도특구'입니다")。」 |
義王駅1番出口付近からの義王駅構内の様子。 奥に見える高層ビルは、現代ロテム社の本社ビル。 |
義王駅の駅舎 |
義王市観光案内図 |
◎義王鉄道産業広報館
義王駅の2階には、無料で見学できる義王鉄道産業広報館(의왕철도산업홍보관)があり、覗いてみることにしました。
ここにあった説明書きによると、義王市には、韓国交通大学(한국교통대학교)・鉄道博物館(철도박물관)・鉄道技術研究院(철도기술연구원)・鉄道公社人材開発院(철도공사인재개발원)等が集中していることから、2013年に韓国政府より『鉄道特区』の指定を受けた、とのことです。
毎年5月初めには『義王鉄道フェスティバル』が開催されるとのことですが、行くのを逃してしまいました(苦笑)。
義王駅2階にある、義王鉄道産業広報館 |
1997年に運用を開始したという義王内陸コンテナー基地(의왕 ICD)についての説明。 |
『韓国鉄道技術研究院の研究成果(한국철도기술연구원의 연구성과)』と言っても、営業運転が出来てこそ意味のある成果だと言えると思うのですが。。。 |
HEMU-430X速度体験館で、ヘム車両の最高時速430kmを体感できるとのこと。 |
流石に『エコ鉄道産業(친환경 철도산업)』は言い過ぎかと。。。 |
◎鉄道博物館
義王駅近くの食堂で昼食を取った後、そこから徒歩約15分程で鉄道博物館に着きました。
鉄道博物館は1988年に開館したもので、過去に韓国で走っていた車両を見ることが出来たり、韓国での鉄道の歴史を知ることができます。
鉄道博物館入場口 |
リーフレットが多少怖い(苦笑)。 |
鉄道博物館開館記念碑 |
鉄道博物館 |
◎鉄道博物館屋外展示場
鉄道博物館の屋外展示場では、韓国で過去に使用されていた機関車・車両等を見ることができます。
戦前~1960年代に製造された車両の中には、日本の会社が製造したものもあります。
日本植民地時代の1940年に日本で製造され、1983年まで使用されていたという、ミカ3-161号蒸気機関車。 |
日曜日ということで、家族連れが多かったです! |
1974年の首都圏電鉄1号線開通と共に走り始め、2000年まで使用されていたという車両。 日本で製造されたそうです。 |
当時新潟鐵工所で製造され、1963年~1987年に掛けて走っていた気動車。 |
1927年に日本で製造され、1955年に大統領専用車両として改造された客車。 李承晩や朴正煕元大統領がこの客車に乗ったそう。 |
2001年まで使用されていたという、大統領専用(写真左側)・警護用(写真右側)ディーゼル動車。 大統領専用は1969年に日本車輌社、警護用は1985年に韓国・大宇重工業社で製造されたそう。 |
1976年に韓国・大宇重工業社が製造したという旅客用電気機関車。 |
日本植民地時代の1942年に日本で製造され、1967年まで走っていたという、パシ型23号蒸気機関車。 |
◎鉄道博物館1階展示室
鉄道博物館の1階展示室では、韓国での鉄道の歴史や世界の鉄道を知ることができます。
また、1日に4回程鉄道ジオラマのイベントも行われます。
1897年、現在の仁川~鷺梁津(노량진、ノリャンジン)に当たる区間の鉄道敷設の起工式の様子。 |
韓国における貨車の変遷 |
韓国で走っていた蒸気機関車 |
韓国における気動車・電動車の変遷 |
韓国で過去に走っていた車両の模型 |
JR九州が、783系電車の模型を寄贈したそう。 |
JR東海も、100系新幹線の模型を寄贈。 |
正確な時代が記載されていませんでしたが、日本植民地時代のものと思われる資料。 |
鉄道ジオラマショーに潜入! |
ショーの始まりを待ちきれない子供たち! |
ベタな演出でも時めいてしまうのが、ジオラマの魅力! |
国鉄101系って電気機関車(전기기관차)じゃないんですけど。。。 |
朝鮮戦争時の避難列車や、攻撃を受けた車両の写真等。 |
釜山日報社発行の、朝鮮戦争初期の鉄道に関する記事。 漢字もかなりの割合で使用されています。 |
朝鮮半島全路線の概要。 幹線は戦前・戦中時代に敷設され、支線や1号線をはじめとした電鉄線は戦後に開通。 |
南北鉄道連結事業の近況 |
南北鉄道連結事業は京義線と東海線で行われているそう。 |
朝鮮半島最初の鉄道路線である京仁線(現在の首都圏電鉄1号線の一部)の紹介 |
朝鮮半島鉄道敷設に貢献した朝鮮人の紹介。 李氏朝鮮最後の王である高宗(고종)も含まれています。 |
当時大韓帝国がアメリカ人ジェームズ・モールス(James Morse)に京仁線敷設権譲渡を表明した文書。 しかし、その後モールスは日本資本の京仁鉄道合資会社(경인철도합자회사)に敷設権を譲渡することになります。 |
京仁線の概略図。 仁川~鷺梁津が、1899年9月18日に朝鮮半島最初の鉄道区間として開通することになります。 |
1943年の京仁線ダイヤグラム |
本来はソウルと北朝鮮・新義州を結ぶ京義線の紹介 |
ソウルと釜山を結ぶ京釜線の紹介 |
写真上は、京釜線開通2日後に、当時日本軍が鉄道路線破壊嫌疑で朝鮮人3人を公開処刑したというもの。 写真下は、京釜線とは関係ないのですが、(何故か)伊藤博文刺殺時の様子を描いたものが展示されていました。 |
韓国南西部の全羅道を走る、湖南線・全羅線の紹介 |
◎2階展示室
2階展示室では、韓国で発行されてきた切符の紹介や、鉄道の種類、鉄道の運行の仕組み、保守作業等について知ることができることができるコーナーがあります。
千葉都市モノレールの図を見た、日本駐在歴があると思われる50代前半の男性が、「これに乗った時揺れて怖い思いをした」と子供たちに語っていました(苦笑) |
1960年代に韓国で発行されたきっぷの紹介。 硬券は特に貴重な資料! |
ソウルの電鉄線開通記念きっぷの数々 |
鉄道職員制服よりマネキンの方が気になる(苦笑) |
電車運行に必要な電線設備の紹介 |
鉄道における信号の変遷 |
鉄道博物館
○行き方
首都圏電鉄1号線義王駅2番出口から徒歩15分程
○開館時間
・3月~10月:9:00~18:00
・11月~2月:9:00~17:00
○休館日
・毎週月曜日(月曜日が公休日に当たる場合は開館)
・公休日の翌日
・1月1日
・旧正月連休
・秋夕(추석、チュソク)連休
○入場料
2,000ウォン
◎まとめ
義王駅へはソウル中心部から約1時間20分で行くことができるので、ソウルからの日帰りでも十分に楽しむことができます。
皆さんもソウルに来られた際は、日帰りで韓国の鉄道を知る旅に出てみるのは如何でしょうか?
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