こんばんは、ソウルにいるのにベルリンの話題を提供するタケオです。
今回はベルリン地元紙からの興味深い記事を紹介したいと思います。
記事の題目は「ベルリン市民は一体どこから来ているのか(Woher die Berliner wirklich kommen)」です。
ベルリン・ブランデンブルク統計機構が2015年6月30日に発表した調査結果を元に、ベルリン地元紙Berliner Morgenpost紙が記事にしています。
記事リンク
2016年1月21日付Berliner Morgenpost紙「ベルリン市民は一体どこから来ているのか(Woher die Berliner wirklich kommen)」
以下要点を日本語訳してみます。
◎ベルリン市民の半数以上が、ベルリン以外の出身
Berlin ist eine Stadt der Zugezogenen, jeder zweite ist woanders geboren. Genau genommen sind die 1.723.002 gebürtigen Berliner (Stand 30. Juni 2015) mit 48 Prozent in der Minderheit.
ベルリンは移住者の町である。2人に1人がベルリン以外の町で生まれている。ベルリン生まれのベルリン市民は全体の48%と、ベルリン以外で生まれた人を下回っている。
◎ベルリンの人口、2020年までに380万人に
Die jüngste amtliche Prognose geht noch von 3,8 Millionen Berlinern bis 2030 aus (aktuell: knapp 3,6 Millionen). Doch dieser Wert könnte bereits in fünf Jahren erreicht sein. Denn die aktuelle Flüchtlingskrise ist darin noch nicht berücksichtigt. Wie viele Asylsuchende noch kommen und auch bleiben werden, kann niemand verlässlich vorhersagen. Die Statistiker des Landesamts haben verschiedene Modelle durchgespielt und rechnen nun allein bis 2020 mit bis zu 174.000 Menschen zusätzlich.
2015年6月末時点の統計分析では、2030年までにベルリンの人口が現在の360万人から380万人まで増えると予想しているが、現在の状況では5年後ぐらいにその数字まで達すると見られる。2015年半ばから続いている難民急増が統計分析に考慮されていないからだ。どれほどの難民申請希望者がベルリンに残るのかは予測がつかないが、ある統計学者は2020年までの17万4,000人増を見込んでいる。
◎東欧・中東地域からの移住も目立つ
Ende Juni 2015 war die syrische Hauptstadt Damaskus mit 4332 in Berlin lebenden Menschen in der Top 50 (Rang 45) - noch deutlich vor einer westlichen Metropole (Paris: Rang 82, London: Rang 96, New York ist mit Rang 123 nicht einmal in der Top 100).
2015年6月末時点でベルリンに住むシリアの首都ダマスカス出身者は4332人と、ベルリン外出身都市ランキングトップ50入りの45位に入った。これはパリの82位、ロンドンの96位、ニューヨークの123位より高い。
Die Geburtsorte geben zudem Hinweise auf frühere Einwanderungswellen: So sind türkische Städte mit einer Anzahl von 162 überpropotional vertreten. Und die iranische Haupstadt Teheran ist sogar auf Rang 30, insbesondere nach der islamischen Revolution von 1979 und nach dem Ersten Golfkrieg (1980-88) kamen viele politische Flüchtlinge. Auch die Entwicklungen seit den 90er-Jahren werden deutlich - mit vielen Punkten in Osteuropa und auf dem Balkan.
出身地を更に細かく見ると、移民の流入の事実が見えてくる。
トルコは実に162もの町から移住してきている。
イランの首都テヘランはベルリン外出身都市ランキング30位に入った。特に1979年に起きた革命後やガルフ湾戦争(1980-88)辺りに多くの政治的難民がやって来た。また1990年代からは東欧・バルカン半島からの難民が多くなっている。
Auffallend ist auch die Häufung polnischer Städte (125 mal vertreten). Zum einen wurden die Polen nach dem Mauerfall die Nummer eins der Zugezogenen von außerhalb Deutschlands. Doch vor allem wirkt der Zweite Weltkrieg nach: Bei vielen älteren Berlinern steht noch der deutsche Name einer heute polnischen Stadt im Pass. So ist Szczecin (Stettin) mit 6801 Berlinern die erste ausländische Stadt in der Rangliste.
特筆すべきはポーランド(125の都市)だ。ベルリンの壁崩壊後、ポーランドからの移民数はドイツ国外からの移民数1位を記録したが、既に第二次世界大戦終戦直後から、当時ドイツ語名・現ポーランド名都市からの出身者の多くがベルリンに住んでいたということが、彼らのパスポートから垣間見える。ベルリンに住むシュチェチェン出身者は6,801人と、ベルリン外出身都市ランキングトップだ。
◎Sバーン環状線外の地域も人口増
Seit 2003 wächst Berlin wieder durch Zuzug, gerade aus Deutschland. Und vor allem innerhalb des S-Bahn-Rings. Da in der Innenstadt nicht mehr genügend Wohnraum zu finden ist und dort auch Bauland rar ist, drängt es auch viele Neuberliner in die Kieze außerhalb des Rings.
2003年からドイツ国外からの移民を背景に再び人口増となっているベルリン。特にSバーン環状線内の人口が増えている。中心部は既に空き地が少なく、環状線より外側の地域に新しいベルリン市民が押し寄せている。
◎記事を読んでの個人的見解
この記事では、ベルリンの人口は、2015年6月末時点の360万人弱から、2020年までに380万人に膨れ上がると予想しています。
難民問題が今後どのように推移するのかにもよりますが、僕はこの記事の予測は概ね間違っていない、と見ています。
現在問題となっている、中東やバルカン半島からの難民もそうですし、スタートアップ事業や勉学面でのベルリンの魅力も高まってきていると感じるからです。
これからウェディング(Wedding)地区を主として、ベルリンの人口がますます増え、これまで西欧の首都の中では比較的家賃が安いと見られていたベルリンも、他都市と同じような価格になる時代がもう直ぐやってくるのかもしれないですね。
ちなみに、記事中に、ベルリン外出身都市ランキングと共に、ベルリン外出身都市距離ランキングという、一見指標としてはわかりずらいランキングが載っているのですが、僕の出身県である埼玉も、ベルリン外出身都市の中で44番目に遠い都市(人数101人)としてランクインしていました(苦笑)。
なお、神奈川は40位(人数163人)、東京42位(人数875人)、大阪46位(人数238人)、京都47位(101人)でした。
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