韓国でミカンの産地として有名なところといえば済州島。
そのまま販売されるだけでなく、ジュース等の加工商品にも使われています。
その済州島のミカンについての取材をある番組で見たところ、驚くべき事実がありました。
済州島で栽培されているミカンの殆どが、元々は日本で開発された品種だというのです。
後にビデオとしても見ることができたので、勉強がてら訳してみました。
「済州島ミカンの内99%が日本品種?(제주도 감귤 중 99%가 일본 품종?)」
겨울철 가장 사랑받는 과일 감귤.
1일당 연간감귤소비량은 13.3kg으로, 과일소비량중 가장 많은데요.
그러나, 이 감귤에는 우리가 모르는 사실이 있습니다.
일본품종이 99%나 자지한단 점이죠.
冬に一番多く食される果物といえばミカン。
1人当たりの年間ミカン消費量は13.3kgと、果物消費量の中で最多です。
しかし、このミカンには私たちが知らない事実があります。
日本品種が99%も占めているというのです。
강종훈 농업기술원 감귤육종센터 연구담당
현재 감귤 재배면적이 20,500ha 정도 되는데, 국산 품종 재배면적은 400ha밖에 되지 않습니다.
그래서 면적상으로는 (국산품종이)0.4% 정도 되는 것 같습니다.
カン・ジョンフン農業技術院ミカン育種センター研究担当
現在のミカン栽培面積は20,500ha程ですが、(韓国)国産品種の栽培面積は400haに過ぎません。
面積上では0.4%になります。
우리 감귤 사라진 데에는 슬픈 역사가 숨어 있는데요.
예부터 귤은 임금에 진상된 정도로 귀한 과일였죠.
그런데 그 귀한 감귤 때문에, 농민들은 고통스러웠습니다.
7,8월에 열매수를 세웠다가, 수확기에 그 수대로 거둬드리는 무리한 공출안 대문이었죠.
수량을 채우지 못하는 농민은, 배상하거나 곤장형을 받아야 했습니다.
韓国のミカンが消えていったのには、悲しい歴史が隠されています。
昔からミカンは君主に献上されるほど貴重な果物でした。
しかし、その貴重なミカンのために、農民たちは苦痛を味わいました。
7、8月に収穫数の計画を立て、収穫期に必ずその数まで納めなければならない、無理な計画のためでした。
収穫量を満たせなかった農民は、賠償したりむち打ち刑を受けなければなりませんでした。
1960년대이후 일본품종이 들어오면서, 감귤은 대학나무라는 별명을 얻으며, 제주 곳곳에서 재배됩니다.
일본품종은 달고 껍질이 얇아, 소비자의 입맛을 단박에 사로잡았고, 토종감귤은 시장에서 설자리를 잃었습니다.
1960年代以降日本品種が入ってきて、ミカンは『大学木』という別名を得て、済州島の各地で栽培されます。
日本品種は甘くて皮が薄く、消費者の心を一気に掴み、韓国のミカンは立場を失いました。
이 곳은 제주 서귀포에 있는 금물과원인데요.
8종류의 토종귤이 보존되고 있습니다.
ここは済州島西帰浦(ソギポ)にあるクンムル果樹園です。
8種類の韓国品種が保存されています。
이 귤은 임금에게 진상됐던 토종귤이라고 하는데요.
일단 향이 유자처럼 굉장히 강하고요.
맛이 새금한데 안에는 이렇게 씨앗이 들어 있습니다.
토종감귤에서는 아직까지 씨앗을 찾을 수 있죠.
このミカンは君主に献上されていた韓国のミカンだというのですが。
香りが柚子みたいに非常に強いです。
味はやや酸っぱく、中にはこのように種が入っています。
韓国のミカンには未だに種を見つけることができます。
허종민 서부감귤농업기술센터 기술보급과장
토종귤은 크기가 좀 작고 씨앗 종자가 크고, 맛이 지금 귤보다 떨어지는 면이 있습니다.
그러다 보니까 소비자들이 그렇게 많이 찾거나 가공해서 만들거나 하는 걸 아직 하지 않아요.
ホ・ジョンミン西部ミカン農業技術センター技術普及課長
韓国のミカンは大きさが少し小さくて種が大きく、味が今のミカンより劣る面があります。
そのため消費者が多く買うとか加工して作るとかいうのはないですね。
「濃い色に更に美味しい韓国のミカン(진한 색에 더 맛있는 우리 품종)」
써니트 재배 농가를 찾았습니다.
써니트는 일본품종인 할라봉에서 발생한 돌연병이 기지로 육종에 개발한 품종입니다.
ソニトの栽培農家を訪ねました。
ソニトは、日本品種の漢拏ボンから発生した突然変異の枝を育成して開発した品種です。
현성익 써니트 최초발견
보다시피 색이 일반 한라봉과 비교하면, 붉은색이 많이 나고, 신 맛이 빨리 빠지고, 한라봉 보시면 알겠지만, 익는 기간도 (써니트가) 더 빠른 것 같고.
ヒョン・ソンイク 第一発見農家
ご覧のように一般の漢拏ボンと比較すると、橙色が強く出ていて、酸味が早く消え、熟する期間も(ソニトが)より速いです。
모양은 한라봉과 비슷하지만, 색이 훨씬 진한 것이 특징입니다.
形は漢拏ボンと似ていますが、色がとても濃いのが特徴です。
프로듀서:써니트는 어떻게 개발했는지?
현성익:2003년도에 일반 한라봉을 재배하던 중에, 2007년도에 특이한 색의 열매를 발견하게 돼서, 한 3년 동안 계속 특성이 살아나는가를 시험하고, 3년이 지난 후에 농업기술원에서 이 특성이 살아있다 해서, 신품종을 만들게 됐죠.
プロデューサー:ソニトはどうやって開発したのですか?
ヒョン・ソンイク:2003年度の一般の漢拏ボンを栽培していた時、2007年度に特異な色の果実を発見し、3年間この特性が生きるのかを実験したところ、3年経った時に農業技術院で特性が生きていると判断され、新品種を開発することになりました。
써니트는 지난 11월부터 출하를 시작했습니다.
이렇게 되기까지 꼬박 12년이라는 세월이 흘렸답니다.
ソニトは今年11月から出荷を始めました。
これに至るまで丸12年の歳月が流れたことになります。
현성익 써니트 최초발견
우리가 써니트를 개발했기 때문에, 써니트는 일본에 있는 품종이 아니니까, 일본에서도 우리한테 로열티를 달라고 할 수 없을 거예요.
ヒョン・ソンイク 第一発見農家
私たちがソニトを開発しましたが、ソニトは日本品種ではないので、日本が私たちにロイヤルティーを要求することはできないでしょう。
한라산 자라게 자리하는 곳은 신품종인 인자조생을 재배하는 농가입니다.
신품종은 최초로 발견한 농게에서 재배하는 게 일반적인데요.
이 농장도 15년전 일본품종인 고림조생에서 인자조생을 발견했고, 지금까지 재배하고 있습니다.
인자조생은 다른 품종에 대해, 화경이 붉은 빛깔을 띄우는 게 특징인데요.
껍질도 얇고 맛도 달콤해 우수개체로 인정받았습니다.
漢拏山が雄大に構えるここは、これも新品種であるインジャ早生を栽培している農家です。
新品種は最初に発見した農家で栽培するのが一般的です。
この農家も、15年前に日本品種であるごりん早生からインジャ早生を発見して以来、継続して栽培しています。
インジャ早生は他の品種に比べ、茎が赤い色をしているのが特徴です。
皮が薄くて甘く、優秀品種として認められました。
오인자 인자조생 최초발견
제주도가 감귤 50년 역사라고 하지만, 부끄럽게도 90%이상이 일본품종인데, 지금도 늦지 않았다고 보거든요.
행정이나 농업인들이 똘똘 몽쳐서, 지급부터라도 우리 품종을 만들어내면, 종자전쟁에 대비할 수 있지 않을까.
オ・インジャ インジャ早生第一発見農家
済州島はミカン栽培50年の歴史を誇るも、恥ずかしくも90%以上が日本品種なのですが、今からでも遅くないと思っています。
行政や私たち農家が一丸となり、今からでも韓国品種を作り出せば、競争に備えることができるのではないでしょうか。
제주의 역사속에서, 농민들에게 고통이 되기도 하고, 기쁨이 되기도 했던 감귤.
종자주권시대에 들어선 지금, 우리 농가의 경쟁력으로 자리잡기를 바랍니다.
済州島の歴史の中で、農家にとって苦しみにもなり喜びにもなったミカン。
種子主権時代に入った今、韓国農家の競争力で韓国ミカンの販売数が伸びることを願います。
(敬称略)
済州島で栽培されているミカンの殆どが日本品種で、日本品種を栽培している農家が日本にロイヤリティーを支払っていることに驚きだったのですが、同時に気になったのは、韓国で日本のミカンが人気を得たことが、「韓国ミカンの悲しい歴史」に繋がるようにみえてしまう、取材の姿勢です。
本来「韓国ミカンの悲しい歴史」は、「当時の君主へ献上するためには、無理にでも初めに計画されたミカン栽培数までのミカンを栽培しなければならず、それが満たされなければ刑罰を受けざるを得なかった」のみのはずです。
しかし、経済的な競争原理によって、韓国で日本のミカンが広まったにもかかわらず、何故かこのことも「韓国ミカンの悲しい歴史」として短絡的に括られてしまっていると感じると同時に、違和感を感じざるを得なかったのです。
こういった点に、「日本」という単語だけで悪者扱いに繋げる傾向のある、最近の韓国メディアの風潮の一端を感じてしまいました。
ただ救いだったのは、このビデオのあと、スタジオの司会者2人が日本品種と韓国品種を食べ比べる場面があり、その後、司会者2人の内1人が「日本品種には日本品種の特徴があり、韓国品種には韓国品種の特徴がある」という趣旨のコメントをしたことです。
バランスの取れた内容にする、という意図があったかもしれませんが。
日韓関係が色々な面で複雑かつ難しい問題なのは承知しつつも、朝鮮半島に関心を持つ僕としては、こういった報道姿勢が少しずつでもなくなることを願うばかりです。
0 件のコメント:
コメントを投稿