ワールドカップが終了し、次は日本最高峰のリーグで最高のプレーを、ということで開幕したトップリーグ。
開幕戦前は、チケット完売、という話が上がっていましたが、蓋を開けてみれば事情が違っていたようです。
2015年11月14日付日刊スポーツ「「ラグビーが負けた日」完売なのに空席 協会大失態」によれば、秩父宮ラグビー場で行われたラグビートップリーグのパナソニック・ワイルドナイツ対サントリー・サンゴリアス戦では、満員を2万人としていたところ、観客は10,792人に留まった、とのこと。
この記事の中で目を引いたのは、「これまで協会は(チケット全体の)40%を企業サイドに、25%を招待券に、一般向けは35%として運営してきた。」という点です。
企業サイドや招待券という、本当に観に行きたい人に対して直接売ったわけではないのに、それらを配っただけで完売と言ってしまうところに、日本ラグビー協会の意識の低さを感じてしまいます。
また、チケット分配から分かることは、チームを保有している企業への分配を最も優先している、ということです。
今回の記事はラグビーのトップリーグに限っていますが、推測に過ぎませんが、バレーボールのVリーグや、バスケットボールのNBLも似た状況なのではないでしょうか。
ですが、チケット分配で最優先すべきは、一般向け販売である、若しくは、企業向けのチケットはなくし、それらを一般向け販売に振り向けるべき、だと思います。
「一企業が予算を出してチームを持ってくれているのだから、企業が最優先で当然」という考えもあるかもしれませんが、本来スポーツというものは、スポーツをする人と、それを観て楽しむ人のためにあるのではないでしょうか?
更に、ラグビーが人気のあるスポーツでは決してない中、企業に属する従業員が観てくれることを期待しても無理な話であって、それよりも本当にラグビーが好きで、本当に観たい人に優先に販売するべきだと思います。
秩父宮ラグビー場で行われた、第46回ラグビー男子日本選手権決勝サントリー・サンゴリアス対三洋電機ワイルドナイツ(現パナソニック・ワイルドナイツ)。 2008年3月16日撮影 |
また、色々なスポーツで企業チームの廃部がここ数年で相次いでいますが、スポーツチーム廃部を決めた企業は、スポーツ発展に貢献するためにスポーツチームを持っているのではなく、スポーツチームを企業自体の広告塔としか見ていない、と言わざるを得ません。
しかし、企業のスポーツへの支援の度合が、企業の本業の業績に左右されるにもかかわらず、企業の支援に頼り過ぎているスポーツ関係者にも問題がある、企業だけでなく、地方自治体・公共団体・民間人等、様々な角度からの支援を活用すべき、だと思います。
企業は本業での利益追求と株主への利益還元が最優先事項であり、景気が浮き沈みする中で、支援の度合は変わらざるを得ないからです。
この問題は、日本の中で最も人気のあるスポーツの野球にも言えます。
最近は地域名を冠するNPBのプロチームが増えてきましたが、今でもメディアで一般的に表記されるのは、株式を最も保有している企業の名前です。
プロチームを持つ企業がプロチームの売却・買収を繰り返している歴史を経験しているにもかかわらず、何故地域名やチーム名より企業名が優先されるのでしょうか?
いつか、プロ野球の結果表に「埼玉対千葉」などと表記される日が来ないものでしょうか。
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