日本と同様、韓国でも3月下旬からプロ野球のシーズンが開幕。
韓国プロ野球では、かつて千葉ロッテマリーンズ・読売ジャイアンツ・オリックスバッファローズに所属していた李承燁(이승엽、イ・スンヨプ)選手が、韓国プロ野球チームの一つ三星ライオンズ(삼성 라이온즈)で今でも活躍しているとのことで、ソウル特別市(서울특별시)松坡区(송파구、ソンパグ)にある蚕室野球場(잠실야구장、チャムシルヤグジャン)にて、韓国プロ野球の斗山ベアーズ(두산 베어스)対三星ライオンズの試合を観戦してきました!
尚、僕にとっての韓国プロ野球観戦は、2010年4月に釜山広域市(부산광역시)を本拠に置くロッテジャイアンツ(롯데 자이언츠)のホームゲームを社稷野球場(사직야구장、サジクヤグジャン)で観戦して以来6年ぶり2回目です。
◎韓国プロ野球の概要
韓国のプロ野球リーグは韓国野球委員会(한국야구위원회、通称KBO)が運営し、1リーグ制10球団で構成されています。
チーム名の前には全て保有会社名が付いています。
1シーズンの流れは以下の通りです。
○レギュラーシーズン(정규시즌)
・3月下旬~9月末にかけて、1チーム当たり144試合を戦う。
・5位以上のチームがポストシーズンに進出。
○ポストシーズン(포스트시즌)
・ワイルドカード決定戦(와일드카드 결정전)でレギュラーシーズン4位チームと5位チームが1試合のみ対戦。
・ワイルドカード決定戦勝者とレギュラーシーズン3位チームが3戦先勝方式の準プレーオフ(준플레이오프)を行う。
・準プレーオフ勝者とレギュラーシーズン2位チームが3戦先勝方式のプレーオフ(플레이오프)を行う。
・プレーオフ勝者とレギュラーシーズン1位チームが韓国シリーズ(한국시리즈)を戦い、4戦先勝したチームが優勝。
◎斗山ベアーズ及びLGツインズホームゲームのチケットの種類
蚕室野球場を本拠地としている斗山ベアーズとLGツインズ(LG 트윈스)のホームゲームチケットを購入する場合、チケットの種類としては以下の通りです。
○テーブル席(테이블석)
・ホームベースに近い内野1・2階席。
・飲食を置けるテーブル付き。
・価格:月~木40,000ウォン(約3,800円)、金土日45,000ウォン(約4,300円)
○エキサイティングゾーン指定席(익사이팅존 지정석)
・選手とほぼ同じ目線で観戦できる席。
・読売ジャイアンツホームゲームでのエキサイトシートに類似。
・価格:月~木20,000ウォン(約1,900円)、金土日25,000ウォン(約2,400円)
○ブルー指定席(블루 지정석)
・一塁又は三塁ベースに近い内野1・2階席。
・価格:月~木15,000ウォン(約1,400円)、金土日17,000ウォン(約1,600円)
・ホームベースに近い内野1・2階席。
・価格:月~木12,000ウォン(約1,130円)、金土日14,000ウォン(約1,330円)
・ホームベースに近い内野1・2階席。
・価格:月~木10,000ウォン(約950円)、金土日12,000ウォン(約1,130円)
○外野席(외야석)
・外野に位置する全自由席。
・価格:月~木7,000ウォン(約660円)、金土日8,000ウォン(約760円)
尚、チームの応援に関して、外野席で行う日本とは異なり、韓国では一般的に一塁又は三塁ベースからポールまでの内野席で応援を行います。
そのため、斗山ベアーズ及びLGツインズのホームゲームにおいて、言葉がわからなくてもとにかく韓国プロ野球の応援に加わりたいという方はレッド指定席を、ゆったり野球を観戦したり場合は、レッド指定席以外の席を購入して下さい!
チケット価格表 |
蚕室野球場の座席案内図 |
◎蚕室野球場への行き方
蚕室野球場は、ソウル地下鉄2号線(서울지하철2호선)とソウル地下鉄9号線(서울지하철9호선)が乗り入れる総合運動場駅(종합운동장역、チョンハブンドンジャンヨッ)の5番又は6番出口から歩いて直ぐのところにあります。
総合運動場駅にある周辺地図。 |
ソウル地下鉄2号線の改札を出て近くのところに、斗山ベアーズフォトゾーンがあります。 |
総合運動場駅5番出口 |
総合運動場駅6番出口 |
◎蚕室野球場で斗山ベアーズホームゲームのチケットを購入
今回観戦しようと思った試合は、斗山ベアーズと、大邱広域市(대구광역시)を本拠に置く三星ライオンズの試合。
僕は韓国プロ野球で応援しているチームは特にありませんが、ゆったり観戦したかったのと、左打者の李承燁選手の顔をなるべく見たかったため、三塁側ブルー指定席を購入することに。
当日券の販売は試合開始2時間前から行われ、僕は当日券販売開始30分前から並びましたが、買いたいと思っていた三塁側ブルー指定席を余裕で購入することができました。
当日券販売開始30分前のチケット販売所 |
当日券販売開始! |
無事にチケット購入! |
◎蚕室野球場周辺を散策
試合開始前までまだ時間がありましたので、蚕室野球場周辺を散策してみました。
野球場北側にあり、1988年ソウル夏季オリンピックの主要競技場として使われたオリンピック主競技場(올림픽주경기장、オルリンピッチュギョンギジャン)ではコンサートイベントが行われていました。
斗山ベアーズグッズショップや韓国プロ野球グッズショップを覗いた後は、ファーストフード店で昼食を取りました。
オリンピック主競技場ではコンサートイベントが開催されていました。 |
斗山ベアーズ・LGツインズのオフィシャルグッズショップ。 僕が訪れた日は斗山ベアーズのホームゲームということで、斗山ベアーズのみの開店。 |
斗山ベアーズのレプリカユニフォーム。 価格は52,000ウォン(約5,000円)。 |
こちらも斗山ベアーズのレプリカユニフォームですが、より軽い材質を使っているということで、価格は70,000ウォン(約6,700円)。 でも実際に触ってみると、言われてみれば確かに違うけど、そこまでの大きな違いはなく、それにしては高すぎる印象。 |
多くの観客が訪れるということで、露店も出されます。 |
蚕室野球場の韓国プロ野球グッズショップ。 東京ドームにあるBALL PARK STOREのような感じ。 |
中で売られていたロジンバックの殆どが、全て日本の会社製造のものでした! |
手袋にも日本直輸入と思われる商品が! |
写真右側が李承燁選手の人形らしいのですが、全然似てないと思うのは僕だけでしょうか。。。 因みに写真左側は、今シーズンからMLBのミネソタ・ツインズ(Minnesota Twins)でプレーする朴炳鎬(박병호、パク・ビョンホ)選手の人形。 |
韓国プロ野球10球団ロゴ入りのタンブラー |
蚕室野球場外にはファーストフード等の食事施設が充実しています。 |
試合開始前にサインに応じる三星ライオンズの若手選手。 蚕室野球場には確固とした選手専用出入口が存在せず、日本での明治神宮野球場のような雰囲気。 |
選手が蚕室野球場に入っていきます。 |
◎蚕室野球場に入場
試合開始30分前に蚕室野球場に入ることに。
球場への持ち込み規定として、リュックサック程度のカバンとショッピング袋までの持ち込み制限、ビン・カン・1リットル以上ペットボトルの持ち込み禁止等があるようなのですが、入場口で手荷物検査はまったくない様子で、僕の所持品である肩掛けカバン(中には500mlのペットボトルを入れていました)と一眼レフカメラは一切検査を受けませんでした(苦笑)。
しかし、ビン・カン・1リットル以上ペットボトルは、入場する前に飲み干すか、入場後の敷地にある店舗で買うようにした方が良いと思います。
入場口手前で海苔巻きを売るおばさん |
いよいよ入場! 手荷物検査は全くありませんでした(苦笑)。 |
喫煙者のためのスペースが設けられています。 |
蚕室野球場でのアルバイト募集の張り紙。 かつて西武ドームでアルバイトしていた頃が懐かしいです! |
入場後の敷地にもファーストフードスタンドやコンビニがあります。 |
入場後の敷地にある飲食スタンド |
李承燁選手レプリカユニフォームを着るライオンズファン |
◎試合開始前
いよいよ球場内に入りました。
蚕室野球場はブルペンがベンチの隣にあり、西武ドームの構造を思い起こさせます。
三星ライオンズには、李承燁選手だけでなく、阪神タイガース・オリックスバファローズ・横浜DeNAベイスターズにも所属していたアーロム・バルディリス(Aarom Baldiris)選手も所属しており、試合開始前の調整の様子を見ることができました。
試合開始直前には、日本と同様に国歌斉唱や始球式が行われ、始球式は「応答せよ1988(응답하라 1988)」で話題となった子役キム・ソル(김설)ちゃんが務めました。
試合開始前の球場内の様子。 天然芝が敷かれています。 |
テーブル席の様子 |
試合開始前の最終調整を行う、三星ライオンズの先発張洹三(장원삼、チャン・ウォンサム)投手。 |
試合開始前にキャッチボールを行うバルディリス選手(写真手前)。 |
試合開始前の調整を行う李承燁選手 |
試合開始前の調整を行う、斗山ベアーズの選手達 |
試合開始前には韓国国歌の斉唱。 |
始球式を終えて引き下がる子役キム・ソル(김설) |
◎斗山ベアーズ対三星ライオンズの試合の様子
いよいよ試合開始!
李承燁選手は6番指名打者、バルディリス選手は5番三塁手として先発出場!
試合は、ベアーズが1・3回にそれぞれ失策絡みで1点ずつ、4回にはライオンズの先発張洹三(장원삼、チャン・ウォンサム)投手を攻略して3点、6回にも1点を加えた一方、ライオンズは、2014シーズンに埼玉西武ライオンズに所属していたこともあるベアーズ先発マイケル・ボウデン(Michael Bowden)に7回まで0点に抑えられ、ベアーズの一方的展開に。
そんな中、李承燁選手を見ていると、あれっ、着ているユニフォームの背番号と名前が違う人になっているではありませんか!?
後にいきさつを調べてみると、どうやら宿泊先のホテルでの洗濯中に自身のユニフォームが破れてしまったようで、やむなく曺珍鎬(조진호、チョ・ジノ)ブルペンコーチのユニフォームを借りることにしたためだそうです(苦笑)。
参考リンク
2016年4月17日付OSEN 李承燁 曺珍鎬コーチのユニフォームを来て出場したいきさつ(韓国語)
試合中の内野 |
試合中の外野 |
李承燁選手のこれまでの成績は、打率.304・本塁打2・打点10。 指名打者での出場が多いものの、非常に良い成績。 |
三塁の守備に就くバルディリス選手 |
李承燁選手、あれっ、ユニフォームの背番号と名前が違う!? |
◎試合中の応援・イベントの様子
先ほど書いたように、韓国のプロ野球の試合では内野席で応援を行います。
各球団には専属の応援リーダーとチアリーダーがいて、応援を主導します。
楽器は使わず、あらかじめ用意してある音楽テープをかけながら応援するスタイルです。
また、日本と同様、攻守交代中に各種イベントが行われますが、韓国で外せないのは、なんといっても愛の告白やキスイベントです!
レッド指定席で応援するライオンズファン |
応援を主導する球団専属リーダー |
球団専属チアリーダーも一緒に応援。 |
声援を送るライオンズファン |
一塁側に陣取るベアーズファン |
ホテル協賛の「愛のプロポーズ」イベント。 いや~羨ましいですね(苦笑)。 |
KISS TIME! |
結婚歴が長い夫婦も容赦なく降りかかるKISS TIMEイベント(笑)。 |
◎試合終了
8回まで0点に抑えられていたライオンズですが、9回表にバルディリス・李承燁両選手の犠牲フライで2点を返しました!
しかし時既に遅し、試合は6-2でベアーズが勝利し、5連勝で首位をがっちりキープ。
一方でライオンズは借金生活に入り、順位も7位タイに落ちました。
しかし、日本でもプレーしていた李承燁・バルディリス両選手が最後に見せてくれたことは何とも嬉しい限りでした!
試合終了後は、勝利したベアーズのみならず、負けてしまったライオンズもファンに向けて挨拶。
また、日本と同様ヒーローインタビューが行われ、先制タイムリーを含め3安打の閔炳憲(민병헌、ミン・ビョンホン)選手と、7回を投げて無失点に抑えたボウデン投手がお立ち台に上がりました!
尚、閔炳憲選手は2015年に行われたプレミア12でも活躍した選手です。
9回表に打席に入る李承燁選手 |
犠牲フライを放ち、ベンチに戻る李承燁選手。 |
勝利したベアーズがファンに挨拶! |
敗れてしまったライオンズもファンに挨拶。 |
ヒーローインタビューを受ける閔炳憲選手 |
通訳を通してヒーローインタビューを受けるボウデン投手 |
応援お疲れさま! |
最後に観戦記念写真! |
試合終わりはいつも名残惜しい。。。 |
やはり出た大量のごみ。。。 もっとゴミ箱を設置すれば良いと思うのですが。。。 |
それぞれの帰路につく観客 |
◎まとめ
韓国のプロ野球は、日本に比べると完投能力のあるエース級の投手が少なく、守備に関してもエラーが多い方である反面、パワーを生かした野球と独特の応援が特長と言えます。
韓国では日本同様野球が一番人気のあるスポーツですので、皆さんもソウルに来られた際には、韓国プロ野球の面白さを味わってみてはいかがでしょうか!
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